低レベル放射線臨床応用専門家会議

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 平成19年11月17日(土)東京理化大学1号館記念講堂にて、東京理化大学薬学部放射線生命科学研究室主催、ホルミシス臨床研究会共催にて、放射線ホルミシス国際シンポジウム低レベル放射線臨床応用専門家会議が開催されました。

低線量放射線による自己免疫疾患(SLE)もでるMRL-lpr/lprマウス                           病状改善での制御性T細胞(Treg)の関与                                          /小島周二、月本光俊 東京理化大学薬学部                                        ごく最近、自己免疫疾患モデルマウス(MRL-lpr/lpr)において低線量のγ線やX線の照射により病態の改善や延命効果が見られる事が私共の及び他の研究チームにより報告された。私共が報告したこれまでの結果は以下の通りである。                                                                                                                                                               1)MRL-lpr/lprマウスγ線照射群(13週齢より0.5Gyx5times/Wx4W=10Gy照射)では非照射群に比べて有意に脾腫脹・リンパ節腫脹の抑制及びタンパク尿の減少が認められ、照射による病態改善が見られた。                                                   2)リンパ球表現型の割合では本マウスの病態発症の原因と考えられている異常T細胞(CD3+CD4-CD8-CD220+の有意な減少が見られた。                                                3)Sub-G1アッセイ法にて、アポトーシス細胞の割合を解析すると、非照射群では平均4%であるにに対し、照射群では30%の割合を示した。

低レベル放射線前進照射にゆる糖尿病治療について                                          /馬替純二 電力中央研究所                                                    I型糖尿病の発症抑制効果:代表的なI型糖尿病の実験的モデルマウスであるNODマウスに0.5Gyの線量で12、13あるいは14週齢の時にX線を照射し糖尿病の発症率への影響を観察さいたところ、非照射群では15週齢より発症が見られ、22週齢の時点では発症率が60%に達するのに対し、照射群では、有意な発症率の抑制が観察できた。特に12週齢の照射群の効果は顕著で21週齢までの発症率は0%であった。12週例のNODマウスに0.5GyのX線を照射し、6時間後に膵臓を摘出し、病理切片のアポトーシス細胞を検出した結果、褐色に染色されたアポトーシスを起こした細胞が照射群で顕著に減少していることが観察され、X線照射は膵臓のアポトーシスを抑制することにより、糖尿病の発症を抑制していることが示唆された。                                     ll型糖尿病の治療モデル:ll型糖尿病モデルとしてdb/dbマウスとAkitaマウスに10週齢から0.7Gy/hの線量率で連続照射を行い、尿糖値により糖尿病の発症を追跡した結果、db/dbマウス照射群では尿糖値が標準レベルまで低下したまうすが表れ、80週齢えお超える時点では24例中3例で尿糖が認められなくなった。また照射によって寿命が有意に延長するとともに脱毛など糖尿病マウスの特徴的な老化症状の改善も観察できた。Akitaマウスでは寿命の延長が認められた。db/dbマウスに低線量率放射線を10週齢から3週間連続照すると、加齢とともに低下していく血中インスリン濃度が維持される傾向にありことがわかり、低線量率放射線の連続照射は耐糖能を著しく改善することが明らかになった。また、活性酸素を除去するMn-SODの発現を亢進し、β細胞のアポトーシスを抑制することにより、β細胞のインスリン分泌能を確保することで糖尿病の進行を抑制していることが示唆された。                                                               糖尿病合併症の抑制効果: 糖尿病モデルマウスでは、腎臓の糸球体は血管障害を起こし、メザンギウム細胞の増大、毛細血管基底膜の肥厚、ループ官の狭窄などが観察できるが。線量率で連続照射したdb/dbマウスではこれたの合併症が抑制され、正常な毛細血管の数が増加されていることが認められた。このとき腎臓の過酸化脂質量は低下しており、低線量率放射線の連続照射は糖尿病によるグリケーション反応に伴う活性酸素による損傷から生体を守ることにより、糖尿病合併症の進行を抑制していることが示唆された。                                   おわりに:低線量・低線量率放射線は、糖尿病の発症や病態の進行に伴う酸化的損傷を抑制することにより、?型・?型を問わず糖尿病の病態を改善することが示された。 

低レベル放射線のバイオポジティブ効果について                                                    トーマス・D・ラッキー ミズーリ大学                                                                      ・アメリカ合衆国及びインドでのバックグラウンドγ線とがん死あるいは新生がんの発生に関する調査研究                             Cohen(1980)はアメリカ合衆国48州での2億人以上の住民を対象として調査。「がん率死亡率がγ線による自然放射線量と反比例する」ことを報告している。尚、平均線量は一年間当たり0・9mGyであり、がん死が“0”となる外挿値は年間7.3mGyとしている。Nambi(1987)らのインドにおける州立病院での新たながんの発生率と自然γ線量が反比例していることを報告している。尚、がん死が“0”となる外挿値は年間1mGyとしている。これらの調査結果は、いずれも「適度の放射線の増加が劇的にがん発生率/がん死亡率を下げる」ということを強く示唆するものである。                                                          ・台湾での調査研究                                              1982〜1983年において、台北市内の数棟のアパートがCo-60で汚染した梁を使って建設された。Chen(2004)はこれらのアパートに9〜20年間住んでいる人のがん死亡率は通常成人のたった3%であると指摘し、長期に渡る被ばく(50mSV/y)は顕著にがん死亡率を下げると結論付けている。                ・イランでの調査研究                                                                                        何世紀にも渡り、イランのラムサールの住民は高線量の放射線と共に生活してきており、300mSvを超える線量を浴びている住民もいる。MortazaviとKaram(2005)はラムサール地区では白血病や他のがんの発生が少ないと述べている。また、Monfared(2005)らは、高自然放射地区の住民のがんや心臓疾患などの特別な疾患の発生率が他の通常の放射能地区の住民に比べて低いことを記している。                              ・全がん死亡率                                                                                   放射線によるがん死亡率低下の最も重要な例は、123,846人の原子力労働者に関する調査結果をまとめたものである。放射線量はフイルムバッジにより計測され、多くの調査は10年毎に行われた。その結果、放射線量の増加と相反して、がん死亡率が低下することが示された。  

 

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